4月9日の美人の日本語は
「山笑う」です。
春の季語で、春の山の明るい感じをいいます。
11世紀頃の中国北宋の山水画家、郭煕の画論「臥遊録」にある言葉に拠るとされています。
春山淡冶而如笑 夏山蒼翠而如滴 秋山明浄而如粧 冬山惨淡而如睡
「春山淡冶(たんや)にして笑うが如く」 春の山はうっすらと艶めき、笑っているよう
「夏山蒼翠(そうすい)にして滴るが如く」 夏の山は青々と茂り、みずみずしさがあふれているよう
「秋山明浄(めいじょう)にして粧うが如く」 秋の山は清らかで、美しく飾っているよう
「冬山惨淡(さんたん)として眠るが如し」 冬の山は薄暗く、眠っているよう
郭煕にはこう見えたということか、季節の山はこう描きましょうということなのかは分かりませんが、読むだけでも季節の山々が目に浮かびます。
「山笑う」だけでなく、「山滴る」「山粧う」「山眠る」もそれぞれの季節の季語になっています。
山はそこにあるだけなのに、人は心を映して、笑わせたり、眠らせたり。
自然の豊かさとともに、人の感情の豊かさも美しいと思うのです。
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