4月25日の美人の日本語は
「霞の衣」です。
たちこめる霞を、衣に見たてていう言葉です。
霞も霧も、空気中の水蒸気が気温の低下によって水滴となり漂っているという、同じ自然現象ですが、春は霞、秋は霧というイメージです。季語でも、霞は春、霧は秋となっています。
お話の中にあるように、霞は気象用語としては使われず、見える距離が1キロ未満の場合は霧、1キロ以上向うが見える場合は靄というそうです。
さらに、雲も自然現象としては同じで、空の高いところにあるのが雲、地面に接しているのが霧や靄、霞です。
じゃあ、山にかかってるのは雲なのか? 霧なのか?
これは「見る人によって違う」というのが答えです。
山肌に接しているので登山中の人にとっては霧ですが、麓にいる人にとっては高いところにあるので雲でもあるそうです。
以前のお話で出てきた安倍晴明の「この世で一番短い呪は名だ」のように、物事を認識する基本となるもののひとつが名前です。逆に名前自体が、人のイメージを左右することも多いのです。
美しい名前を愛でつつも、その本質を見つめる感性も必要だと思うのです。
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