3月21日の美人の日本語は
「阿吽」です。
古代インド、サンスクリットの悉曇文字(梵字)、ア・フーム(a-hū)を音写したものです。
口を大きく開けた最初の音と、口を閉じた最後の音なので、「阿吽」は宇宙の始まりから、終わりまで全てを表す言葉とされました。
新約聖書 ヨハネの黙示録には、神が「アルファであり、オメガである」というくだりがあります。
太古から東洋でも西洋でも、文字や言葉というものは、神秘的な力も宿す大切なものと思われていたんですね。
そしてその頃、遣唐使として中国へ渡った最澄や空海によって、日本にもたらされます。真言・陀羅尼を元の音声のまま唱えるため、日本でも音声学的に研究され、しだいに中国語も加わり学問の体系が整理されていったそうです。
するとその反動として、国語研究の機運が興りました。
なんと、古代インドの言葉に端を発して、日本の語学研究の基礎が築かれたのです!
「阿」から「吽」へ至る道は、なんとも不思議で、無駄なものなんてないんだなあと思わされます。
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